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しぜんのたより

7月ヒヨドリバナ(2012年6月30日掲載)

左(ひだり)はヒヨドリバナ。右(みぎ)はジェミニウイルスに感染(かんせん)した葉(は)。

7月下旬頃(がつげじゅんごろ)からヒヨドリバナをよく見(み)かけます。キク科(か)の多年草(たねんそう)で、全国(ぜんこく)でも道端(みちばた)などに自生(じせい)し、夏(なつ)に白(しろ)い小花(こばな)を枝先(えださき)に密集(みっしゅう)して咲(さ)かせます。ヒヨドリが山(やま)から下(お)りてきて鳴(な)く頃(ころ)に開花(かいか)することから名前(なまえ)がついたようです。
ある日(ひ)、園内(えんない)で黄色(きいろ)い模様(もよう)のある変(か)わった葉(は)をつけたヒヨドリバナを見つけました。調(しら)べてみるとジェミニウイルスに感染(かんせん)するとこのような模様になることがわかりました。
西暦(せいれき)752年(ねん)の奈良時代(ならじだい)、考謙天皇(こうけんてんのう)に詠(よ)まれた句(く)― 「この里(さと)は継(つ)ぎて霜(しも)や置(お)く夏の野(の)に わが見し草(くさ)はもみちたりけり」
「もみちたりけり」とは「黄化(おうか)している」という意味(いみ)です。この句に登場(とうじょう)するのが、ウイルスで変色(へんしょく)したヒヨドリバナではないか、とされています。ずいぶん歴史(れきし)のあるウイルスなんですね。
この病気(びょうき)に感染すると、葉(は)の光合成(こうごうせい)の効率(こうりつ)が落(お)ち、成長(せいちょう)できずに他(ほか)の植物(しょくぶつ)に埋(う)もれて枯(か)れてしまうことが多(おお)いようです。
宿主(やどぬし)を弱(よわ)らせながらも、そんなに長(なが)い間(あいだ)(い)き残(のこ)っているウイルスって不思議(ふしぎ)ですね。

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